Webデザイン未経験からの学び方と最初の作品づくり
未経験からWebデザインを学び始めても、本当に形になるのか。結論から言うと、センスより「基礎の型を知り、模写で手を動かし、人に見てもらう」順番を守れば、未経験でも作品と呼べるものは作れます。遠回りの原因は、ツール選びや情報収集に時間をかけすぎることにあります。
未経験でもWebデザインは始められる理由
Webデザインは、才能よりも「ルールを知っているか」で差がつく分野です。配色や余白、文字の大きさには、多くのサイトが共通して守っている型があります。
美術の経験がないから無理。そう感じる人は少なくありません。
ただ、Webデザインの目的は絵を描くことではなく、情報を見る人に迷わず届けることにあります。ボタンはどこにあれば押しやすいか、見出しと本文の差はどれくらいあれば読みやすいか。こうした判断は、知識と観察の量でかなり補えます。
筆者の経験では、デザイン未経験から現場に入ってきた人が伸びるかどうかは、最初の段階で「なぜこのデザインなのか」を言葉にする癖があるかどうかで分かれました。きれいに作れることより、理由を説明できることのほうが、仕事の場面では信頼されやすいのです。
「センスがない」と感じる正体
センスがないと悩む人の多くは、実は比較対象を知らないだけかもしれません。良いデザインをたくさん見て、どこが良いのかを分解した経験が少ないと、自分の作ったものの何がおかしいのか判断できないからです。
つまり、センスの不足に見えるものの大半は、観察量の不足。ここは練習で埋められる部分です。
最初に身につけたい4つの基礎
まず押さえたいのは、レイアウト・配色・文字・余白の4つです。この4つを意識できるだけで、作るものの見え方は大きく変わります。
- レイアウト:情報をどの順番で、どこに配置するか。人の視線の流れを想定して並べます
- 配色:ベースカラー、メインカラー、アクセントカラーの役割を分けて考えます
- 文字(タイポグラフィ):書体の選び方、見出しと本文のサイズ差、行間の取り方
- 余白:要素同士の距離で「まとまり」と「区切り」を伝えます
意外と見落としがちなのが、4つ目の余白でしょう。初心者の作品でよく見かけるのは、空いたスペースを埋めようとして要素を詰め込みすぎるパターン。余白は「何もない場所」ではなく、情報を整理するための道具として扱ってください。
配色は「3色まで」から始める
配色で迷ったら、使う色をまず3色程度に絞るのがおすすめです。色数が増えるほど、どこが大事なのかが伝わりにくくなります。
ただし、ブランドカラーが決まっている案件の場合は話が別。指定された色をどう引き立てるか、という発想に切り替える必要があります。練習段階から「この色は何のために使っているのか」を説明できるようにしておくと、実際の制作でも慌てずに済みます。
ツールは何を選べばいいのか
ツールは、まずデザインを作るためのツールを1つ決めれば十分です。複数を同時に覚えようとすると、操作の習得だけで時間が溶けていきます。
Webデザインの現場では、画面の設計に Figma がよく使われています。ブラウザ上で動き、無料プランから始められるため、未経験の方の最初の1本として選びやすいツールです。写真の加工やバナー制作では Adobe の Photoshop が定番ですし、手軽に試したいなら Canva から触ってみる人もいます。
正直なところ、どれを選ぶかより、選んだツールで何かを1つ完成させるかのほうがずっと大事です。ツール比較の記事を何本も読んで、結局まだ何も作っていない。そんな状態になっていませんか?
コーディングはどこまで必要か
HTMLとCSSの基礎は、デザインに集中したい人でも触っておいて損はありません。自分のデザインがブラウザでどう表示されるのかを理解していると、実装しにくいデザインを避けられるからです。
とはいえ、最初から完璧に書ける必要はなく、「見出しや画像がどう並ぶのか」「スマートフォンで見たときに崩れないか」をイメージできる程度で問題ありません。デザインの基礎を一通り学んでから、少しずつ手を広げていく順番で大丈夫です。
模写から作品づくりへ進む手順
上達の近道は、実在するサイトの模写です。真似をすることで、プロがどこに余白を取り、どんな文字サイズを使っているかを体で覚えられます。
模写から自分の作品づくりへ進むときは、次の流れを意識してみてください。
- 観察する:気に入ったサイトを1つ選び、配色・文字・余白の特徴を書き出す
- 模写する:Figmaなどで、できるだけ同じ見た目を再現する
- 違いを確認する:元のサイトと並べて、ずれている部分を探す
- アレンジする:架空のお店やサービスを想定し、模写で得た型を使って自分なりに作る
- 人に見てもらう:第三者からフィードバックをもらい、直す
現場で見てきた限り、伸び悩む人がつまずくのは3番目の「違いを確認する」工程です。なんとなく似ているところで満足してしまい、行間が少し広い、ボタンの角の丸みが違う、といった細部を見逃してしまう。細部に気づけるかどうかが、そのまま観察力の差になります。
模写するサイトの選び方
最初は、情報量が少なくシンプルな構成のサイトを選びましょう。飲食店やカフェの紹介ページ、個人のポートフォリオなどは、ページの役割がはっきりしているので練習向きです。
逆に、動きの多いサイトや複雑な構成のサービスサイトは、慣れてからで十分。いきなり難しいものに挑むと、完成しないまま気持ちが折れてしまいます。
なお、模写した作品はあくまで練習用です。元のサイトのデザインを自分の作品としてSNSやポートフォリオに公開するのは避けてください。
独学で続けるためのコツと落とし穴
独学で続けるコツは、学ぶ範囲を区切ることと、作ったものを誰かに見せる場を持つことです。一人で黙々と作り続けると、自分のクセに気づけないまま時間だけが過ぎていきます。
続かなくなる原因で多いのは、次のようなものです。
- 最初から完璧な作品を作ろうとして手が止まる
- 情報を集めるだけで満足し、実際に作る時間が少ない
- 誰にも見せないので、上達しているのか判断できない
- 動画編集やマーケティングなど、関連分野に手を広げすぎる
特に最後の点は、デザインと動画、マーケティングをまとめて学びたい人ほど陥りがちです。どれも関係が深い分野ですが、最初の段階ではデザインの基礎を軸にして、ほかの分野は「デザインを活かすための知識」として少しずつ足していくほうが、結果的に早く形になります。
独学とスクールのどちらが合うかは、学習時間の確保のしやすさや、質問できる相手がいるかどうかで変わります。迷っている方は、YOUNIQS(ユニークス)の学び方をまとめたはじめての方向けガイドも参考にしてみてください。
YOUNIQSは、動画・デザイン・マーケティングを、AIと一緒に学んでいくコミュニティです。
フィードバックをもらうときの注意点
作品を見てもらうときは、「どう思いますか?」ではなく、「このページは〇〇な人に向けて作りました。伝わりますか?」と目的を添えて聞くのがコツです。目的がわかると、相手も具体的な指摘を返しやすくなります。
厳しい意見をもらうと落ち込むかもしれません。けれど、それは作品への指摘であって、あなた自身への評価ではありません。直した回数だけ、作品は確実に良くなっていきます。
学んだあとに広がる選択肢
Webデザインの基礎を身につけると、その先の選択肢も見えてきます。デザインそのものを深める道もあれば、動画やマーケティング、AIツールと組み合わせて活かす道もあります。
たとえば、バナーやSNS用の画像を作る力は、動画のサムネイル制作にもそのまま役立ちます。マーケティングを学べば、「どんなデザインなら商品の魅力が伝わるか」を数字や反応から考えられるようになるでしょう。画像生成やレイアウト提案などAIを使ったツールも増えていますが、出てきた案の良し悪しを判断するには、やはりデザインの基礎知識が欠かせません。
筆者自身、デザインとほかの分野を組み合わせて考えられる人ほど、チームの中で頼りにされる場面を多く見てきました。ただし、何でもできる人を目指す必要はありません。まずは一つの軸を持つこと。そこから自然に広げていけば十分です。
どの方向に進むにしても、収入や仕事の量は、学んだ内容や取り組み方、環境によって大きく変わります。「これを学べば必ずこうなる」という近道はないと考え、まずは作品を一つずつ積み重ねていきましょう。
参考情報(一次情報)
Q&A
パソコンのスペックはどれくらい必要ですか?
Figmaはブラウザで動くため、最初は普段使っているパソコンで試してみて問題ありません。動作が重いと感じたら、そのタイミングでメモリの増設や買い替えを検討すると、無駄な出費を避けられます。
年齢が上がってから始めても遅くないですか?
学び始める時期よりも、継続して手を動かせるかのほうが影響は大きいです。これまでの仕事で培った業界知識や、相手の立場で考える力は、デザインの説得力にそのまま活きます。
どれくらい勉強すれば作品が作れますか?
学習時間や取り組み方によって個人差が大きいため、一概には言えません。目安としては、模写を数回こなし、架空のサイトを1つ完成させた段階を「最初の作品ができた」と考えるとよいでしょう。
絵が描けなくても大丈夫ですか?
大丈夫です。Webデザインで求められるのは、情報を整理して伝える力です。イラストが必要な場面では、素材サイトの画像やアイコンを使う方法もあります。
独学とスクールはどちらがいいですか?
一人で計画を立てて進められる人は独学でも始められますし、質問できる相手やフィードバックの場がほしい人には学習環境の整った場が向いています。YOUNIQS(ユニークス)で学べる内容はコース一覧で確認できます。